2013年6月20日木曜日

事務局:東北スタッフ便り(その6)

【東北スタッフ便り 2013.06.20】
はじめまして、宮城オフィスのマイケルです。

カナダ出身で、日本の大学で「難民の人権問題」や「災害リスク管理と人道援助」を専攻しました。2010年にアフガニスタンのNPOで勤務した経験を活かし、3.11の一週間後から支援物資を送る団体を立ち上げ、約1年にわたり東北支援ボランティアとして活動。その後、20124月からハビタット宮城オフィスにスタッフとして入りました。

今回は、仮設住宅で行っている、ものづくりを通してのコミュニティ形成の支援について紹介します。
当プロジェクトは、ボランティアと仮設住宅に暮らす住民とが一緒に家具を作るものです。この活動を通して、作った家具そのもので現地のニーズに応えると共に、共同作業を通して心のケアも担えるよう努めてきました。
震災後から2年以上たつ今でも、東北では約30万人が仮設住宅に入居しています。2014年末までに55%が修繕した自宅、災害公営住宅や高台に新築する家などに移転する予定ですが、13万人は来年以降も仮設住宅に住み続けることになると見込まれています。
宮城の多くの仮設住宅は、運動公園、学校のグラウンド、駐車所等、十分広い土地が残っていた場所に作られています。しかし、震災の被害を受けた居住地は地盤沈下などで建物を建設ができない、あるいは土地のかさ上げや山を切り崩すなどの作業で多くの時間を要するため、復興住宅の建設は難航しています。そのために、今現在そしてこの先も応急措置として建設された狭い仮設住宅で、先の見えない生活を余儀なくされた人々が多くいるのが現実です。その仮設住宅の限られたスペースでも快適に暮らすために、ベンチやテーブルが役立つことを期待してこのプロジェクトを進めています。例として右の写真は、縁台としてはもちろん、ベンチとしても、テーブルとしても使えるため、とても便利な家具になります。
 さて、皆さんは「スウェット・エクイティ(Sweat Equity)」という言葉を知っていますか?
世界で住居建築活動を行うハビタットはこの手法をとても大事にしています。家のオーナーが自ら現場作業に参加し、労働力を自分の住居建築とコミュニティ全体に提供することで、自立と相互援助を促すシステムです。
今回の仮設住宅でのプロジェクトでも、この理念のもとに活動を進めてきました。住民の方は、ボランティアと一緒に汗を流し、自らが主体的に参加することで、自分が作った家具に愛着を持ったり、コミュニティとのより良い関係を育むといった相乗効果を生み出しています。
「皆で何かを作ること」で、住民たちに活力を取り戻すきっかけを提供できると同時に、交流を通してボランティアと住民、また住民同士のより良いつながりを形成することができます。
少しでも仮設住宅の住民が暮らしやすくなるように、ものづくりプロジェクトをこれからも進めていきたいと思います。みんなで一緒に頑張っていきましょう!
はじめての方でも大丈夫です。一緒に家具を作りましょう!

それでは、宮城でお待ちしています!

2 件のコメント:

  1. スタッフ同士の交流の場になってますよ(笑)。それにしても、マイケルがデザインする家具は既製品とは違い温かみのある家具ばかり。これからもその腕を磨き、地元の方の生活にお役立てください☆

    返信削除