2013年6月26日水曜日

国内:ボランティア体験談(東北その6)

【ボランティア体験談@東北  2013.5.17-2013.5.18
投稿者:佐藤亮(関西学院上ヶ原ハビタット) / ベンチ制作+お祭り参加
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 こんにちは!関西学院上ヶ原ハビタット、企画担当の3回生の佐藤亮と申します。

 このたび、51718日に宮城県にて、上ハビ の東北スタディーツアーを行なってきましたので報告させていただきます!
今回、スタツアを行なうに至ったのは、東日本大震災の発生から2年がたった中で、上ハビメンバーから、「1度は東北に行きたいけど、行くキッカケがあれば」という声が多く聞かれていたことが大きな理由でした。そういった中で、上ハビとしてまとまった形で東北派遣ができないか、とオフィスのスタッフの方に相談させていただき、今回の企画に至りました。

 メンバーは、2回生19名・3回生6名の計25名のメンバーが集まり、そのうち大半が東北へ訪れるのは、震災以降はじめて、というチームとなりました。また、実際に現地に行くまでの間に、みんなで東北について考えよう、というところから、事前にも複数回ミーティングを行ない、ワークショップを通して議論を交わしたり、グループに分かれて勉強会を行うなどをしました。


 実際の現地での活動についてですが、まず1日目は、被災箇所やハビタットが支援を行った場所を見てまわりました。名取市閖上地区、小塚原南集会所、東松島市の野蒜地区、石巻市といった地域でした。各箇所において、宮城スタッフの話を聞きながら、以前どのような状態だったのか、あるいは震災発生当初の状況等を知り、そういった中で今があることを通して、様々な気づきを得ることができました。夜には、宿泊先の野蒜小学校に語り部さんにお越しいただき、震災時のお話や、復興について、あるいは自分たちに対してのメッセージをお話しいただくという貴重な時間を過ごしました。また、ハビタットスタッフから、ハビタットの支援・取り組みについてのプレゼンがあり、自分たちが学生支部として取り組んでいるハビタットの活動について、改めて学ぶ機会となりました。
その後、1日を通して感じたこと・気づいたことを全員でシェアするミーティングを行いました。

2日目は2箇所に分かれて、活動しました。女川町の仮設住居におけるベンチ作製と出島におけるお祭りのお手伝いをさせていただきました。ベンチ作製は、はじめにスタッフから説明を受けた後、電動ドリル等を用いたりしながら、慣れないながらも、耐久性の強いベンチを目指して作業しました。また、そこで住まわれている方、子供たちと一緒になって作業を行いました。みんなが笑顔で、いろんな話をしながら楽しく作業をすることができました!

 出島では、神輿担ぎと、来客に振る舞われる海産物を焼く作業のお手伝いをしました。神輿は、島の高台に八雲神社におかれているものです。昨年は担ぎ手が少なく、神輿を浜まで降ろすのをあきらめたそうですが、今年は、地元の方をはじめ、復興工事の作業員の方や自分たちボランティアが加わり3年ぶりに浜に神輿を下すことができたそうです。みんなで神輿を担ぎながら、地元の方と話しながら、受け継がれるべき伝統行事に触れることができました。
今回のスタツアのテーマは、「今、東北に対して自分たちのできることを考えよう」というものでした。
 


初めての東北でも、経験者でも、震災から2年以上が経過した「今」を見て、あるいは、実際にお手伝いをさせてもらったり、そこで出会った人との交流のなかから、何か学生の自分たちにもできること、自分たちだからこそできることを考えて、これからも東北に対して目を向け続けなければいけないんじゃないかな、と思います。 



 東北の復旧・復興に対する「意識の風化」というものが言われ続けています。自分たちが見てきた東北の「今」は、もちろん変わってきたこともあれば、何も変わっていないこともあったわけで、だからこそ、これからも何か自分たちにできる範囲で協力していかなければならないと思います。

 スタツアチームとしては、事後活動として6月29日に街頭募金を行い、ハビタットジャパンに送金させていただきます。東北に対して街頭に立つことで、自分たちが見てきたこと、感じたことを道行く人に伝えることで、少しでも多くの人が、意識を向けてくれればと思います。そして、今後も、上ハビとして、あるいは1人の学生として、少しでも何かできることを考え、行なっていければと思います。




 最後になりましたが、今回のスタツアは、本当にたくさんの方のご協力があってこその企画でした。ハビタットジャパンのスタッフの方々をはじめ、語り部さん、女川町・出島の方々、多くの出会いと支えがあってこその2日間でした。充実した2日間を過ごせたことに心から感謝いたします。本当にありがとうございました。

関西学院上ヶ原ハビタット 17期企画係 3回生 佐藤 亮









2013年6月24日月曜日

事務局:東北スタッフ便り(その7)

【東北スタッフ便り 2013.06.24】

どうも、再び参上。大船渡の徳地です。
今日は大船渡で先日行われた、模型作りのボランティア活動に関してご紹介します。

ハビタットのボランティア活動といえば、額に汗、手にトンカチ、ハートに熱い情熱、という三点を思い浮かべる人が多いと思いますが(笑)、先日行われたのはちょっと風変わりな活動です。

それは、ずばり、も・け・い・づ・く・り(笑)。

航空母船のプラモデルか?!?!否! 
アイドルのフィギュアか?!否!
さては鉄道模型だな!。 。否!

それは。。。。。。。。地形作り!!!

大船渡市赤崎町永浜地区の地形を模型で制作。地図センターで印刷してきた地図を等高線にそってチョキチョキ。それを薄い発泡スチロールに貼り、それを発泡スチロールでカットした地図にそって切る。すべての等高線をこのようにしてカットした後、元の地図のように重ねていけば、あら不思議、ドラえもんのガリバートンネルが欲しくなっちゃう感じの立体的な地形が出来上がります。(ちなみに徳地の一番欲しいドラえもんの道具は【時門】!!マイナーすぎ?わかる方とは話が合いそう(笑)!是非大船渡に来てください!)

「なんだ、大口叩いた割には簡単な作業ではないか、ふんっと鼻で笑ったそこのあなた!!侮るなかれ。模型製作は思いの外難しく、時間がかかる作業です。

これを作ったのはもちろん奥深~~~い理由があります。テレビなどで見て知っている方もいらっしゃるかもしれませんが、地域の復興の議論の中で、まず始めに取り組むことは、たいていその地域の模型(ほんとはジオラマというらしい。日本語が乏しい徳地としては模型で勘弁していただきたい。。)作りです。なにがどこに来て(あたらしい防潮堤を兼ねている道路とか)、どこに何が建つのか(災害公営住宅とか、高台移転の場所とか)をよりイメージしやすくするためと、じゃあこの地域で何をしよう!という話がより具体的になるためです。たとえばこの地域だと、桜をどこに植樹しようか、とかね。もちろん地図だけでもいいのかもしれませんが、イメージの仕方が全然違ってくると模型を作った方々なら、ずばり、お分かりでしょう!!

この模型をつかって今後は地域復興の議論がされていきます。それを見て、住民は大喜び。その場で拡大版も依頼されました。。

とまあ、こんな感じにハビタットでは大工!と限定せずに、広く地域のために、地味かもしれないけど、大事な活動をやっています。

皆さんも是非加わってください。徳地の第二の故郷を是非みなさんにお見せしたいです。

2013年6月20日木曜日

事務局:東北スタッフ便り(その6)

【東北スタッフ便り 2013.06.20】
はじめまして、宮城オフィスのマイケルです。

カナダ出身で、日本の大学で「難民の人権問題」や「災害リスク管理と人道援助」を専攻しました。2010年にアフガニスタンのNPOで勤務した経験を活かし、3.11の一週間後から支援物資を送る団体を立ち上げ、約1年にわたり東北支援ボランティアとして活動。その後、20124月からハビタット宮城オフィスにスタッフとして入りました。

今回は、仮設住宅で行っている、ものづくりを通してのコミュニティ形成の支援について紹介します。
当プロジェクトは、ボランティアと仮設住宅に暮らす住民とが一緒に家具を作るものです。この活動を通して、作った家具そのもので現地のニーズに応えると共に、共同作業を通して心のケアも担えるよう努めてきました。
震災後から2年以上たつ今でも、東北では約30万人が仮設住宅に入居しています。2014年末までに55%が修繕した自宅、災害公営住宅や高台に新築する家などに移転する予定ですが、13万人は来年以降も仮設住宅に住み続けることになると見込まれています。
宮城の多くの仮設住宅は、運動公園、学校のグラウンド、駐車所等、十分広い土地が残っていた場所に作られています。しかし、震災の被害を受けた居住地は地盤沈下などで建物を建設ができない、あるいは土地のかさ上げや山を切り崩すなどの作業で多くの時間を要するため、復興住宅の建設は難航しています。そのために、今現在そしてこの先も応急措置として建設された狭い仮設住宅で、先の見えない生活を余儀なくされた人々が多くいるのが現実です。その仮設住宅の限られたスペースでも快適に暮らすために、ベンチやテーブルが役立つことを期待してこのプロジェクトを進めています。例として右の写真は、縁台としてはもちろん、ベンチとしても、テーブルとしても使えるため、とても便利な家具になります。
 さて、皆さんは「スウェット・エクイティ(Sweat Equity)」という言葉を知っていますか?
世界で住居建築活動を行うハビタットはこの手法をとても大事にしています。家のオーナーが自ら現場作業に参加し、労働力を自分の住居建築とコミュニティ全体に提供することで、自立と相互援助を促すシステムです。
今回の仮設住宅でのプロジェクトでも、この理念のもとに活動を進めてきました。住民の方は、ボランティアと一緒に汗を流し、自らが主体的に参加することで、自分が作った家具に愛着を持ったり、コミュニティとのより良い関係を育むといった相乗効果を生み出しています。
「皆で何かを作ること」で、住民たちに活力を取り戻すきっかけを提供できると同時に、交流を通してボランティアと住民、また住民同士のより良いつながりを形成することができます。
少しでも仮設住宅の住民が暮らしやすくなるように、ものづくりプロジェクトをこれからも進めていきたいと思います。みんなで一緒に頑張っていきましょう!
はじめての方でも大丈夫です。一緒に家具を作りましょう!

それでは、宮城でお待ちしています!

2013年6月14日金曜日

国内:ボランティア体験談(東北その5)

【ボランティア体験談 @東北 2013.06.07-2013.06.09】
投稿者:ガン・ミョンハ
(社会人)/ ハビタット・ジャパンが大船渡で行う災害支援活動に参加
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こんにちは!

今回の6月7日から9日までの3日間、大船渡のハビタットの活動に参加した東京在住の32歳ガン・ミョンハと申します。

私は3月に日本語と日本の文化を学ぶために韓国から来ました。今回の活動に参加することになったのは大学時代に参加した、ハビタットのボランティア活動が思い出したからです。前回の活動で自分の家を持つようになった人々の喜ぶ姿などを見たときの良かった記憶が思い出され、日本でも何か重要なことをしてみたいという思いで参加することになりました。
私は津波について深く考えたことがなかったし、日本の地理もよくわからないので大船渡が今どのような状況なのか全く分からなかったです。しかし、大船渡への道を探してみて電車が連結されていないことを知った後、私は考えていたものとは全く異なっていることがわかりました。日本のような先進国、経済大国でも、自然の力の前ではどうしようもないことを知りました。

ボランティア活動に参加している間は、体も大変だし、ベッドも少し不便でしたが、喜んで参加することができました。住んでいる環境も、年齢も、性別も異なるが、同じ志を持った仲間たちも一緒に仕事をすることができたからだと思います。活動の中で、現地で津波を経験した方々の痛い記憶を聞く機会がありました。その中で一番記憶に残ることがあります。大船渡市に住んでいる方々が一番大切にしているのは、崩れた家をもう一度建てるのも、難しくなった経済状況を以前の状況で戻すことでもなく、つらい記憶に苦しむ子供たちの心を立て直すことであるということでした。子供たちは辛い記憶を忘れて他の子供のように育つように、子どもたちが楽しく遊べ、勉強できる環境を作ってあげたいと思っている村の人々の願いが叶うことを心から お祈りしました。





最後に別れる前に、一緒に食事をしながら、ハビタットスタッフのYoshikoさんに少し変な質問をしました。それは震災と津波の被害を受けたけれども、村の人にとって良くなったと言うことがあるのかという質問でした。質問をしながら、私も変な質問だと思いましたが、村の人々が言う津波の良かった部分はありました。それは、津波のおかげで津波が来なかった場合は会わなかった良い人々との出会いというものでした。私も多くの良い出会いを経験しました。事務局のKenさんとYoshikoさんはもちろん、自分たちの生活も大変ですが、バイトして貯めたお金で自分たちができることを見つけ、着実に役立っている大学生、次の日に仕事に行くにも関わらず、女性がするのが難しいことを最後まで笑顔でこなしたOLたちなど...。外国人として何か助けを与えることができるという、えらそうな気持ちを持って参加しましたが、
ボランティア活動が終わってから与えたことはなく、受けたことが多かった活動だったと思います。今回の活動で、私は人生の大切さ、時間の大切さ、そして人と人との関係、出会いの大切さを改めて考えることができました。

私も日本で生活している間、何度も参加し、より多くのものを与え、取得しようと考えていますが、他の多くの方々も重要な仕事に参加して、自分だけが得ることができる様々なものを得て、それによって、より豊かな人生を生きて行くことになって願っています。

2013年6月11日火曜日

事務局:東北スタッフ便り(その5)

【東北スタッフ便り 2013.06.11】

Tシャツで気持ちよく過ごせる季節になりましたね!


宮城県東松島事務所より野口です。ハビタットの海外事業として約2年間のスリランカでの業務を終え、今年3月より新しく着任しました。

山形生まれ、山形育ちで、同じ東北の地でハビタットのスタッフとして東北の人々のために従事できることに、やりがいを感じています。宮城弁と山形弁で、コミュニケーションもばっちりです!

スリランカでは、25年以上続いた内戦で家を失った国内避難民の帰村と再定住を促進することを目的に、家を建てる支援を行いました。日本もスリランカも、家を失った背景は自然災害と内戦とで異なりますが、失った生活を取り戻すために希望を捨てずに辛抱強くお互い支え合って前進する人々の姿には、同じものを感じています。


現在、東松島市内の被災した人々を対象に、家屋修繕にかかる工事費を補助する支援を行っています。申し込みのあったお宅を1軒1軒訪問し、聞き取り調査と修繕したい箇所の確認を実施。震災後2年が経った今、住宅の修繕はだいぶ進んでいる一方で、経済的な理由などで生活する上で不可欠な場所も改修できない世帯がいるのも事実です。世帯主やご家族の方一人ひとりと対面してお話しを聞かせて頂くため、より人々が直面している問題について一緒に考えることができることがこの支援の魅力だと思っています。

日本の東北で、海外で、ハビタットができること、必要とされることを追究し、人々の自立への足がかりとなれるよう、これからもがんばって行きます。

みなさん、宮城さ来てみてけらい~ん。

2013年6月7日金曜日

事務局:東北スタッフ便り(その4)

【東北スタッフ便り 2013.06.07】


ハビタット・ジャパン、大船渡スタッフの徳地です。今日は5月25日・26日にボランティアのみなさんと行った、同市内の末崎城跡の整備についてご報告。

もともと末崎城は江戸初期の伊達藩、家臣葛西氏の出城でしたが、豊臣秀吉の奥州仕置で落城、現在は本丸、二の丸の形と堀跡のみが残っています。しかし、木々が生い茂っているため、誰も辿りつけない状況でした。地元の人たちは、この城跡の整備を街づくり、地域復興の要として位置付けています。地主の了解を得て、城跡とその周辺を整備後、子供たちの遊び場になるような公園をつくり、そして最終的にはお城の再建を目指しています。


今回の活動は復興計画の最初にあたる整備活動。地元の方たちと協力し、チェーンソーや草刈り機で開墾して残った大量の枝や竹などを所定の場所に処分し、きれいにすることができました。切ってある木や竹を運ぶという作業は、予想以上に重労働。木の幹などの重いものを持ち上げるときは、二人がかりで号令をかけ合って行いました。冗談を言い合い笑顔で作業をしていたものの、少しすると肩で息をするように。終わったころには筋肉痛が感じられるまでになりました。

参加した方は額に汗をにじませて「必ず帰ってきたい。帰ってきて自分が手伝った城跡公園を見てみたい」と再訪を約束。今後もハビタット・ジャパンは、この末埼城跡の整備活動に参加していく予定です。

緊急支援から復興街づくりへ。支援は復興へとフェーズが変わってきています。その中でハビタット・ジャパンは地域の自立支援に寄り添った支援を継続してまいります。