2014年7月28日月曜日

国内:ボランティア体験談(東北その20)

一言から学んだこと
 山田 優

私は宮城県仙台市の出身で、当時、東日本大震災を経験しました。しかし、今までに津波の被害にあった地を訪れたことがなく、今回が初めての訪問となりました。目に飛び込んでくる風景は、どれも写真や映像で見たものとはまるで異なるように感じ、私はただその光景を目に焼き付けることしかできませんでした。そこで私は自らの無知さに気が付いたのです。自分は何も知らなかったのだと、はっとさせられました。

 今回は様々な経験をさせていただきましたが、その中でも特に印象的だったある出来事について記したいと思います。それは、居場所ハウスの一周年記念感謝祭のお手伝いに参加させていただいた際の話です。感謝祭には子供たちも遊びに来ていて、私たちはその子供たちと一緒に遊んでいました。しかし、みんなでわいわい遊んでいたその時、いきなりある一人の女の子が私に向かってこんな質問を投げかけました。

「ねえ、地震があった時どこにいたの?」

私が「学校にいたよ」と言葉を返すと、彼女は「私は○○にいたの」と一言、自分のことを話してくれました。その言葉の後彼女はまたころっと笑顔になり、一緒になってはしゃいだのですが、私の中ではその一言がずっと心に引っかかっていました。元気いっぱいに遊んでいた子供たちの、その小さな心の中に抱え込んでいる大きなものの存在を実感させられたように思うのです。その一言はどんな言葉よりも重く、あの表情やしぐさまで、私は忘れることができません。

 私には何か特別な資格や技術はありません。私には何もできない、そう思っていました。しかし、子供たちと一緒に遊ぶこと、誰かの話に耳を傾けること、こんな私にも誰かの力になれることはあるのだと思いました。震災を経験した私だからできること、何もできない私だからこそできることがきっとあるはずです。自分にできることは何かを考え、また行動し、復興に向かっている人々と共に歩んでいくことができたらと思います。また何度でも訪れたい、そう思いました。



事前調査を終えて

岡田拓樹

今回東北派遣に参加させてもらい、たくさんの経験をすることができました。いろいろな方と出会い、様々なお話を聞かせてもらいとても貴重な体験となりました。私は今回の訪問が始めての東北でしたが、東北について調べるだけではわからないことを学ぶことができ、直接自分の目で見て学ぶことの重要性がわかりました。

今回は一日目にセルフビルドの支援をし、二日目には居場所ハウスのイベントの手伝いをさせていただきました。セルフビルドでは天井のニス塗りをしました。なかなか均等に塗ることが難しく大変でした。イベントの手伝いでは駐車場の整備やサイコロ転がしの手伝いをしました。住民同士のつながりが強く、たくさんの方がきていました。子供たちも来ていて、元気な姿をみれてこちらが元気をもらいました。

私が今回思ったのは、ボランティアをしているのではなく、させてもらっているということです。ボランティアする際、様々な形で支援に参加しますが、毎回、たくさんのお話を聞かせてもらったり、経験をさせてもらったりと、こちらが学ぶ機会がたくさんあります。

今度は学んだことを生かし、伝えていきたいと思います。

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