2014年8月11日月曜日

事務局:日産チームとホームリペア(その2)


82日(土)、前週末の日産チーム1に引き続き、2チーム目にあたる社員ボランティア11名が宮城県美里町の佐々木さん宅に到着しました。

現場を監督するスタッフ大谷と野口によると、この2週間は今年最高の暑さとのこと。活動を始める前から汗がにじむなか、ボランティアは1チーム目が作業した修繕箇所の仕上げに取り掛かりました。


 玄関回り全体に広がる亀裂の修復作業

ボランティアが担当するのは、大きく分けて外壁と内壁の修正が主なタスク。地震の揺れで柱が動いたことによって土壁の角がはがれたり壁の中腹を縦横断するように亀裂が入っていたりします。放置すると、余震などでそこから崩れ、場合によっては壁一枚がはがれる危険性もあり強度を保たせるためにも補修することが重要です。





  亀裂が縦断し部分的に崩れ落ちている
ボランティアはスタッフの指示の下、パテやコーキングで亀裂を埋めたり、既に埋められて乾いた箇所に色を塗って仕上げたりしました。損傷が激しく崩れた面積が広い場合には壁を補強する板をはめ込むという高度な作業も。

大工作業の経験がない人がほとんどですが、一人一人が「焦らず急がず、それぞれの作業を丁寧にこなすことが何よりも重要」という大谷の指導どおり、着実に作業を進めました。


差し入れのお漬物をいただきながら休憩

そんななか私はひとり佐々木さんに誘われて2階へ。
大きな家具以外に物がなく綺麗に掃除された形跡のある和室に入るとすぐ、つい先日まで部屋が荷物でいっぱいだったことを打ち明けてくれました。「震災のあともずっと(揺れで散乱した)荷物が山積みになっていてね、大谷さん(スタッフ)とボランティアさんが片づけてくれるまで、怖くて、2階に上がってくることもできなくてね。」



ペンキで仕上げられた玄関前にて

ベランダに出ると、埃をかぶった古い書類や人形や洋服など生活用品が少しおいてあり、破棄しきれなかった『ごみ』として収集車を待っているとのこと。階下で作業中のボランティアの様子を見ながら「私、はじめて野口さん(スタッフ)に会った時に『お金は払えない』って言ったんです。そうしたら『それでいいんだよ』って、優しく丁寧に説明してくれたから、信じられると思ったんですよ」と。これまでには悪質な業者から法外な値段で修繕を言い寄られたこともあったと話してくれました。


アイスクリームを受け取るボランティア
夕方、チームごとの作業が終わり片づけをしていると、佐々木さんがボランティア一人一人をねぎらいながらアイスクリームを配ってくださいました。急ぎ足でいただき、お礼を言ってバスに乗り込み、見送ってくれる佐々木さんに手を振りながら帰路につきました。全員、体中が汗と埃とペンキまみれでしたが、感想を聞くと「久しぶりにこんなに自然に笑った」、「今日お父さんが頑張ったことを子どもたちに話して聞かせてやりたい」、「会社としてこういう活動を継続すべき」、また中には「帰ったらこのメンバーで飲みに行きたい!」という意見もありました。


なかでも印象に残った3名の方のコメントをご紹介します。

渡部さん

福島出身で内陸にある実家が地震被害を受けた渡部さんは、行きのバスで聞いた活動説明について「内陸部で目立たない被災者に着目したのが素晴らしいと思います」と語っていました。帰りのバスでは「今日初めてであった全員が、一つの目標に向かって声を掛け合い一致団結して作業できた。必要とされる限り、また参加したいと思います。」と振り返りました。

右側が杉下さん



160名以上の応募者の中から倍率7倍で参加者に選ばれたことについて「今回、来れなかった人たちの分までしっかり働きたい」と意気込みを語った杉下さんは、一日を振返り、作業中もっとできる部分が見えてきてはいたものの「(来れなかった人たちに対して)恥じることなく、できる限りのことをやった」と話しました。


伊東さん


2011年にがれき撤去の活動に参加した時、清掃した建物が使われるのかも分からず努力の意味がどれだけあるかを感じることができなかったという伊東さん。それ以来、東北がどのように変わっているのかを確かめ、そこに住む人々の役にたてるような活動をするために参加し、「まさに個人の生活空間の中に入り込んでの活動で、佐々木さんが喜んでくださって、(本人から直接)お礼を言ってもらえたのがうれしかった」と話しました。


佐々木さん、日産チームのボランティアの皆さん、ありがとうございました!

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