2016年3月12日土曜日

事務局:タイの家族と家を建てよう! ~高校生の声~

3月2日~3月10日の期間、タイの首都バンコク近郊でボランティアとして住居建築活動に参加した立命館守山高等学校2年生の生徒さん達26名。今回は彼らが現地で見たこと、感じたことを同行した事務局スタッフ岡部のインタビュー記録をもとにお届けいたします。

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~チームをまとめるリーダー・荒木くん~
荒木くんは、インタビュー始めにこのGV活動が第1希望でなかったことを素直に話してくれました。(立命館守山高校はアメリカ、オーストラリア、カナダでも海外研修をされています。)しかし、初日にホームパートナーであるラチャノクさんの住んでいる家の紹介写真で驚き、さらに翌日、実際にその家を見て驚いたと言っていました。リーダーである立場から、自分より先に他人の事を考えられるように!というのをモットーにチーム全体の進行状況や体調管理など纏め役として日々奮闘しています。ラチャノクさんを含めタイの人々の“生きる力がすごい!”と圧倒されながら、毎日学びながら成長している様子が伺えました。


                                  
 ~頼れる女子リーダー・晴菜さん~
陰ながら女子リーダー的存在になりつつある晴菜さんは、ハビタットと連携したGV活動に参加したいというのが、守山高校に入った一つの理由だったと教えてくれました。高校内にあるPray for Japan(PFJ)というボランティア活動を主に行っているサークルメンバーでもある晴菜さんは、3年生の中に混ざって東北の仮設住宅訪問へ行ったりもする行動派女子。守山高校の女子生徒さんは混ぜるのが大変なセメント混ぜも率先してやってくれていますが、晴菜さんもやはりこの混ぜ作業が一番大変だと言っていました。しかし、土台から作っている家が日々出来上がってくるのが見える達成感があると言っていました。


 
~果敢なチャレンジャー・古澤くん~
やんちゃだけれど大変な仕事に自ら突っ込んでやろうとする古澤くんは、ただ英語を学ぶだけじゃないこのGVボランティアがやりたくてこの活動を選んだと話してくれました。みんなが口をそろえて大変だというセメント混ぜを率先して毎日のようにやってくれています。それについて聞くと、大変だけど楽しいし、疲れるから嫌だとは思ったことはないとのこと。なんと頼もしい!ラチャノクさんについても、最善とはいえない家に住んでいるけれども下を向いてないし、フレンドリーで明るいと言っていて、現地スタッフともサッカーを一緒にしたりとコミュニケーションを上手くとっています。ワークがお休みの日、スラムを訪問した感想では、悪臭が漂い、衛生とはいえない生活環境に自分は住めないと思う、そう話していました。ただ、そこにある幼稚園を訪問した際は日本の幼稚園児よりも明るい児童に出会い、全員が楽しそうに見えたと話し、スラム訪問で何かを感じ取っていた様でした。


                                    
 ~縁の下の力持ち・玲さん~
静かに黙々と仕事をこなしていく玲ちゃんもボランティアを通して人の役に立つことをしてみたかったと、このGV活動を選んだ理由を教えてくれました。初めてGVサイトを見たときは、トタン屋根の崩れそうな家でちょっと怖い印象を持ったそうですが、得意ではない英語で会話しようと毎日奮闘しているようです。7日目(最終日)にはもう少しちゃんと会話して仲良くなれればいいなと、希望を持っています。スラム訪問で、バンコク市内の高層ビルが立ち並ぶ直ぐ下にはゴミだらけで臭い劣悪な環境の中で生活している人々を見て、お金だけでは解決できない何かがあるのではないかと感じたと言っていました。その日の午後にはタイの大学生達と交流し、一緒にトゥクトゥクに乗ったりマーケットに買い物に行ったりと、タイの観光も出来て楽しそうでした。


~まとめ~
どこの国にもある貧富の差は、高校生のみんなが日本で実感することのない現実のようでした。タイでスラム訪問したり、タイの学生さんと交流することで、生徒さんの中には悶々とした思いを抱いている子もいました。ボランティアなんて自分のエゴなんじゃないかと言っていた生徒さんもいました。しかし、今回のGV活動の一番の目標は最終日までにラチャノクさんの新しい家を完成させること。インタビューした生徒さんみんなが口をそろえて言うのが、「ラチャノクさん一家のみんなに笑顔になってほしい!」。ラチャノクさんがお子さん、お孫さん、家族一緒になって住める家を建てるために、わずかな日数を精一杯、完成に向かって力を合わせていきたい。そんな気持ちが守山高校の皆さんからひしひしと伝わってきました。小さい物事が大きいものに繋がってゆくというのを信じて、これからも様々なことに頑張って欲しいと思います。

2016年3月3日木曜日

事務局:タイの家族と家を建てよう! ~ in バンコク~

ハビタット・ジャパンで海外建築ボランティア「グローバル・ビレッジ・プログラム(GVプログラム: Global Village Program)」を担当する稲垣です。

私は今、タイの首都、バンコクから北に40キロほどの場所に位置するパットゥンタニ県に来ています。今回タイを訪れたのは、ハビタット・タイが取り組む住居建築支援を立命館守山高校のみなさんとお手伝いするためです。

立命館守山高校では、高校2年次に「国際人」を育成する実践的な教育プログラムの一環として、海外研修を実施しています。そのプログラムの一つとして、2012年よりGVプログラムに参加。タイの支援地に毎年ボランティアチームを派遣しています。

この春のチームには総勢26名が参加。彼らの活動は、タイではなく日本からスタートしています。チームに引率する2名の先生の指導のもとタイの文化や言葉、貧困問題について学んだり、タイ料理を体験したり、グループごとに活動目標を立てたりと、数ヶ月に及ぶ事前学習とチームビルディングに取り組みました。

そして、チームがタイへと出発。3月2日、ついにチームは、家を共に建てるホームパートナー家族と対面。チームが建築をお手伝いするのは、ラチャノック一家。家族4人で古い、小さな一軒家に暮らしています。家の床には木が貼られていますが、雨が降るとしなり、時に悪臭を放つときも。寝室もなく、トイレはトタン板で覆われた状態。家族の健康を考えると、衛生的に暮らせる住環境を必要としていました。しかしながら、一家の収入では、新居を手にするほど十分な貯金を蓄えることができずにいました。その中、ハビタットの支援を知り、支援を受けることに。ラチャノック一家の思いを知り、より一層活動への思いを強く抱いたチームの建築活動がスタートしました。




日本からの移動の疲れもなんのその。明るい顔で始まった作業。総勢26名は、5-6名でチームを組み、各チームにリーダーを立てて作業に挑みます。とはいえ、何もかもが初めての作業。なかなか思うようには作業が進みません。各リーダーたちは、作業の指示を受けると、どうしたら効率良く進められるか、しっかりリーダー間で話し合ってから、メンバーに指示を伝達。早速チームワークが発揮されていました。



午前中は効率を考え、さらに午後は丁寧さと地元の人たちとの信頼関係を作ることも大切にしながら、初日の工程である家の土台を作る作業に取り組みました。そして、一日の終わり、予定していた作業を無事終えることができました。

寒さの厳しい日本から、30度を超える炎天下の中での作業。気温差を克服し、暑さに負けず、お互いに声をかけながら元気に活動した学生の皆さん、明日も引き続き、笑顔で活動してくれることでしょう!!私も高校生の皆さんがGVを通じて、様々な気づきを築けるよう活動をサポートしていきたいと思います。