2014年3月31日月曜日

東北スタッフ便り (その30): 大船渡インターン日誌・後編

【東北スタッフ便り 2014.03.31】

こんにちは、ハビタットの学生支部(CC:Campus Chapter)の一つHabitat MGUに所属している明治学院大学2年の石川です。春休みの間、ハビタット・ジャパン大船渡オフィスでインターンをしました。前回の報告(前編)に引き続き、今回は後編の報告です。

インターンをする前は、自分が東北のために何かしたいという気持ちが強く、どうしたら自分が東北に行くことで力になることができるかを考えていました。しかし今は、自分がどうやってこれから力になっていけるかを考えるだけでなく、周りのCCの学生や一般の人がどうやったら東北に関わっていくようになるかを考えるようになりました。自分一人の力ではできないこともたくさんある。もっと多くの人に東北に来てもらえるようになれば当然のことながらそれぞれの長所を生かし、多彩な面で東北の力になることができる。それを実際に一人で東北の地を訪れ、活動することで強く感じました。

また、インターンの間短い期間ですが仮設で生活をし、今までに比べると東北の人に近い生活を送ることとなりました。その仮設で生活し、住民の方と話をするという経験によって、仮設住宅でのうつ病患者や、引きこもりとなってしまう人が増加するなどの仮設に関するニュースが単に情報としてではなく、より現実のものとして入ってくるようになりました。自分が同じように被災し、仮設での生活を何年も続けるとなるとストレスも溜まり、気分も落ち込むようになることが簡単に想像できるようにもなり、住む場所の大切さというのも実感しました。

仮設住宅の方の他にも、インターン中多くの方とお話をさせていただく機会がありました。そのなかでもトラウマを抱えている方のお話や、震災や復興に対する悩みや考えが人によって異なっていたことが印象に残っています。それらのお話を聞くことで、たとえ同じ地域内であっても被災者が抱える心の傷も当然それぞれ異なるものでもあり、被災者が今必要としていることも当然異なるものであることがようやくわかったのです。東北の人でも被災をしていなくて復興に関心が薄い人がいるという話にも驚き、それが自分の視野の狭さを実感した話だったので印象に残っています。

訪問時に配布したチラシ
さらに、ソーラーパネルの地域を訪れているときに、お菓子や海藻をくださろうとしたり、家にあがってコーヒーをいただくことになったり、話をしていても感謝の言葉を口にされる住民の方が多く、気をつかっていただき申し訳ないと思いながらも、心の温かい人が多いという印象を受けました。関東で同じように訪問してみたとしても全く違う反応が返ってくるだろうと思ったので余計に印象に残っています。

今回のインターンは終わってしまいましたが、これから間接的に関東にいながらでも、今までのように募金やチャリティーイベントを開いて東北に関わり続けていきたいとは思います。ですがそれだけでなく、これからはより多くの人に主体的に東北に関わってもらえるような機会づくりにも力を注ぎたいです。できることであればハビタットの派遣に参加するだけでなく、今回のインターンのように通常の派遣よりは長い期間を使って東北を訪れ、東北に染まりながら活動をしていければとも思っています。

国内:ボランティア体験談(東北その16)

【ボランティア体験談 @東北 2014.3.14-16】
投稿者:佐世保北高校チーム(Nくん)/ ハビタット・ジャパンが宮城で行う復興支援活動に参加
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前回福島県に行ってボランティアをしたときに、現地の人にすごくよろこんでもらえて、もっと被災者の方々の力になりたいと思い、また僕は建築科志望で建築に関する活動ときいて興味がわいたので、今回のボランティアに参加しました。今回行った宮城県東松島市と石巻市は、被災地の中でも特に被害が大きい地域であり、なかでも石巻市は震災被害の60%を占める地域です。その周辺の、野蒜と女川で支援活動をしました。

一日目には女川で、住民のコミュニティエリアとなる予定の「夢ハウス」という建物の仕上げをしました。女川は街の両側を山に囲まれており、津波が来たときにはその地形によって津波の最大の高さが40mになったところもあります。住民の10人に1人は津波によって亡くなっています。人々は心に深い悲しみを負っているのです。そのような人々の憩いの場となるように、また、地域復興の拠点となるように、「夢ハウス」は考案されました。海辺の見晴らしの良い場所にたつ夢ハウスは、たくさんの人々によって支えられていました。誰もが故郷の復興を望んでいるのがみてとれ、力強さを感じました。

二日目には二手にわかれ、個人宅の修繕と仮設施設の椅子の制作を行いました。僕は個人(Wさん)宅の修繕に行きました。活動の合間に、Wさんはいろいろなことを話してくださいました。Wさん宅は海岸から50mほど離れたところに建設されていたのですが、津波はその50m間の田畑を一瞬で飲み込みWさん宅に到達しました。運がよかったことに、Wさん宅には四方に大きな窓が取り付けられていたので、津波が家の中を通り抜けることで衝撃が和らぎ、全壊せずにすみました。いつ家が壊れてもおかしくない状況に何時間もいた恐怖は計り知れないものであっただろうと思います。Wさんは、このような話をするのは大変辛いご様子でしたが、この体験を伝えることが私たちの使命なんだ、そして、津波の恐ろしさを知ってほしい、とおっしゃっておられました。この言葉は僕の心にとても深く響きました。僕も故郷に帰ったらこの体験を皆に伝えていきたいと思いました。

今回の復興支援でわかったことは、東北は津波によってとてつもない被害を受けたけれど、東北の人たちは復興のために、今できることを一所懸命頑張っているということ、また、自然災害は人間の力ではどうすることもできず、恐ろしいものであるということ、そして、復興にはとてつもない時間がかかるということです。

今回のボランティアを通して、この体験を周りのいろんな人に伝えていかなければいけないと感じました。それもまたボランティアの1つなのです。復興はまだ全然進んでいません。他県からの支援がもっと必要です。もっとたくさんの人々が協力し、復興が少しでも早く進めばいいなと心から思います。



2014年3月27日木曜日

東北スタッフ便り (その29) : セルフ・ビルド支援 10

【東北スタッフ便り 2014.03.27】


みなさん、こんにちは。約二週間ぶりの徳地です。 3月11日のブログを書いてからちょっと間が空きましたね。実は 3月11日以降の約10日間は比較的進展が遅かったのです。というのも施主の佐藤さん(仮名)が節目の日を前後に気持ちの浮き沈みがあったみたいで、自分の家を建てるのが最近は楽しくないと言っていたからです。

ならお休みしようと、公民館のトイレを直してみたり、ハビタットの他のプロジェクトをちょっと手伝ったりしてもらったり、3月11日の当日に関しては慰霊祭の他は徳地はひたすらお茶に付きあったりと気分転換を図りました。そんな最中の3週間の活動報告です。

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【WEEK19-21】0303-0323 軒天貼り、からの外壁貼り

不思議なポーズで軒天を貼り終わった佐藤(仮名)ハウスですが、今度は外壁の取り付けです。外壁はなんといっても見えるところなので、スタッフも佐藤さんもボランティアさんも緊張の二週間でした。

ボランティアさんはなぜか最近外国の方々が多くて、青森や岩手で英語の先生をやっているJETプログラムの方々だったり、米軍基地で働く兵士さん達だったり、以前ハビタットと一緒に大船渡で活動していたオールハンズでボランティアしていた方がカナダから来たり、もちろん日本の学生さんもいますし、なんとまあ国際色豊かな…。

佐藤さんもその中でだんだん英語が喋れるように?とは、中々ならなかったけれども、「おしょすがり屋」(「おしょす」=「寂しい」in 気仙弁)だったのがちょっとずつ慣れてきたようで、しまいには、ホイホイと女性からお願いされるツーショットに応じ、気分はイケメン有名人?(笑) 皆さんがいたおかげで私たちはこの数週間乗り切れたと思います。佐藤さんも私たちも元気づけられました。

外壁貼りは、やっぱり外見が大きく変わる所だから、「あー、なんだか家らしくなってきたなー」ともう一人のスタッフ健さんは毎週きまって言うセリフを今週はより多めに言ってみたりしていました。

完了を5月末とみていますが、さて間に合うかしら…(笑)?




◆セルフ・ビルド支援 バックナンバー

2014年3月26日水曜日

東北スタッフ便り (その28): 大船渡インターン日誌・前編

【東北スタッフ便り 2014.03.26】

こんにちは、ハビタットの学生支部(CC: Campus Chapter)の一つ、Habitat MGUに所属している明治学院大学2年の石川です。春休みの間、ハビタット・ジャパン大船渡オフィスでインターンをしています。

ボランティアとして、今までに何度か東北に足を運びましたが、いつも短い時間の中での活動に留まっていたため、もっと時間を掛けて力になりたい、将来的にも東北の復興に関わりたい、という気持ちから、ハビタットの活動を通じて経験を積むことができるインターンを希望しました。

今まさに大船渡事務所が取り組んでいる支援は、セルフ・ビルド支援です。セルフ・ビルド支援とは、ハビタットが被災者の住宅再建を支えるために行っているコンサルティング事業で培った知識や、支援活動を通じて築いた地元工務店や建築家とのネットワークを生かし、自らの手で自宅を再建する方の建築をサポートし、通常よりも低コストで
自宅を再建するという取り組みです。



その他、地域住民が集い、復興のシンボルとなる場所づくりを目指し、もともとお城があった土地に子どもの遊び場となるツリーハウスの建築を行っています。石川は、ツリーハウスの階段に手すりをとりつける作業に立ち会い、参加しました。これで子どもたちが安全に階段を登れます。

震災から3年が経過した3月11日の午前中は、ハビタットがソーラー発電設備を設置した公民館の1つ、綾里地区の公民館を訪れました。この支援は、ソーラー発電設備による売電利益を地域の復興のために、また防災・減災のために使うことを目的に2013年に行われた支援の一つです。石川は、公民館の代表の方と、今後どういう風に売電利益を地域復興のために使っていくかについてお話ししました。午後は、震災から3年目ということで追悼式に参加させてもらいました。追悼式の様子を見て、当然のことながら震災という出来事がまだまだ現地の人にとっては風化した出来事ではないということを改めて実感しました。これからより一層支援に力を入れ、復興の力になれるよう頑張っていきたいと思います。

大船渡を訪れ多くの人に出会う機会がありましたが、どの人にも優しく接していただき本当に心の温かい人たちが暮らしている場所なのだと思いました。復興への道のりはまだこれからですが、大船渡は料理もおいしく、おすすめしたい場所も多くあり、これからもっと多くの人に訪れてほしいです。

2014年3月12日水曜日

東北スタッフ便り (その27): 大船渡で迎えた3月11日

【東北スタッフ便り 2014.03.12】

昨日は3月11日でした。みなさまはどのように過ごされましたか?

徳地がいる大船渡市では、14時46分にサイレンがなり、黙とうをささげました。その短い時間の中で、各々があれからの3年に対して思いを巡らせます。

昨日徳地は、セルフ・ビルドの施主である佐藤さん(仮名)と佐藤さんの菩提寺で行われる慰霊祭に参加させて頂きました。佐藤さんは津波でおばさまを亡くし、その供養のためでもあります。広いお堂の中でお経を読む音が何重にも重なり合う中で、微かな音を出しながら近くのストーブの炎が揺らめき、徳地は両手を合わせました。手を合わせると、自然と涙が出ました。私はここにいる人達の誰もを震災前には知らなかったし、亡くなった人、未だ行方不明の人、その誰一人として知りませんでした。ただ、こんな寒い日にはあの日をやっぱり思い出してしまうと、佐藤さんがお寺に入る前にぼそっと言ったことが私の頭の中をぐるぐるしていて、形容できない悲しみに似たやるせなさが私の胸をいっぱいにしました。

3月11日ということで、これに合わせたメディア取材も大船渡では増え、ソーシャルメディアもこの日のこと一色に染まりました。なんとなくそれが寂しかったりもしています。3月11日は節目ではあるけれど、本当はそれ自体が大事というわけではないはず。あれから3年、この日はたぶん、普段も忘れてはいけないよ、と自分にリマインドする日、そんな日になってほしいなと思いました。

写真は夕方越喜来で行われた慰霊祭。小学校跡地に向かう道を灯篭で照らし、その先でかかり火を炊きました。鎮魂をし、遠くを見つめる。ハビタットも関わっているまちづくり委員会が企画しました。


2014年3月10日月曜日

東北スタッフ便り (その26) : セルフ・ビルド支援 9

【東北スタッフ便り 2014.03.10】

みなさんこんにちは、毎週毎
週お騒がせしています、徳地です。実はこの度徳地は普段の文字と写真の世界を脱して、映像として皆様の前に現れます。これに関してはまた文末でご紹介したいと思いますので、最後までお付き合いください 笑!

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【WEEK 18】0224-0302:ついに断熱材をいったん脱出、ヨガのポーズで軒天張り

やっとこさ、断熱材を貼り終わっただよー。といいたいところですが、とりあえずひと段落というところで、今週は軒天
を貼りました。

軒天とは、屋根がある所を下から白い板を貼って隠すもの。両手を左右に広げて屋根の真似をするとしたら、二の腕のお肉がたぷたぷしている所の事です。今回に関しては、比喩が更に良く分からないという批判は甘んじて受けます 笑


今週ボランティアに来て下さったのは、JETプログラムで青森に在住されている方々。総勢7名でヘルメットと安全ベルトを装着し、足場の上で、上を向きながらトンカチでコンスカとお手伝いしてくれました。それはヨガの「腰掛のポーズ」さながらのもので(参考:腰掛のぽーずhttp://www.yoga.jp/pose/pose_detail.php?id=17)、これで大工仕事は美容とダイエットに良いと徳地の中で新たな確信となりました 笑。

その他に、今週は、茶の間の天井作業を少し進めることができました。施主の佐藤さん(仮名)、さすが元大工だけあってアイディアは豊富で、天井にもこだわりが。茶の間の天井だけは、他の天井より固くして、他と異なる木質にしたいとのことでした。(ほかの所の天井は今の所は未定、もしくは変更の予定となっていますので、茶の間に使う天井とは”違う”とは一概に言えないのですが。。) なので、お世話になっている工務店さんの工場をお借りし、茶の間に使う天井の表面を綺麗に加工し、サンドペーパまでかけて、それを傷つけないように、汚れないように、施工していきました。

普段はあまり気にしない佐藤さんも、この時ばかりは徳地に念には念をいれて手を洗うように命じました 笑。終わり。


徳地、映像で現るの巻。

ハイライフ研究所という所が越喜来での様々な活動を紹介しました。その際にハビタットのセルフビルド支援も取り上げられていて、徳地がインタビューに答えています。セルフビルドのみならず、今越喜来全体でどんなことが起きているのかを知るよい機会かと思いますが、徳地の建築現場のおっさん臭ただよう出で立ちと凍える表情にも注目です!!
映像はこちらからご覧ください: http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=10296"


◆セルフ・ビルド支援 バックナンバー