2013年7月18日木曜日

事務局:東北スタッフ便り(その9)


【東北スタッフ便り 2013.07.16】

こんにちは。ハビタット・ジャパン大船渡事務所の小松健さんです。家族を東京に残し、大船渡事務所に赴任してはや1年半。大船渡住民と共に、復興に向けて何が必要か、そしてハビタットとして何ができるか考えて毎日暮らしています。そんなケンさんより、今日は『両陛下の大船渡ご訪問と不肖ケンさん』をお届けします。

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天皇皇后両陛下が7月5日に大船渡を訪問された。

ご訪問の場所は太平洋セメント大船渡工場。私、不肖ケンさんは、ふだんなら、あらそうなんですか、だけで茶の間でテレビでご訪問を拝見するので精一杯なんですが、今回はさる人の依頼で、ご訪問の場所に行くことに、あいなりました。

そこでまず下準備と、土地の方から情報入手。行きつけの指圧治療士さんからは、「当日は両陛下の通られる道路の反対車線は全部通行止めになるよ」と聞き、仰天。そう言えば、地元紙に交通規制情報が。むむ詳細が分からん。警察署に聞こう。11時から訪問場所近辺は交通規制と判明。それでは11時前にセメントの工場前に行けばいいじゃん。ところが大船渡事務所の同僚板沢さんから、「ケンさん、大船渡のじいさんばあさんをなめたらいかん。11時の訪問時間には、現場は黒山の人ですぜ」。よし10時半。

さて当日10時半にセメントの前に着くと、たしかに沢山の人が。でも黒山ではないな。

婦警さんがマイク、「両陛下はたくさんの人が集まっていれば、車を徐行されるので、あせらなくていいですよ」など、じいさんばあさんに優しく指導。うむこれも表彰ものの婦警さんか。

小雨の中を待つことやがて、白バイが2台、なんとこれもマイクで「あと7分で到着されます」とアナウンスをしながら通過。あのマイクはあんなふうにも使うのかと周りの声。「そこの車、止まりなさい」といつも警告をくらっている不肖ケンさんもびっくり。

来ました、来ました(あわてているので敬語省略)、両陛下の車が。確かに徐行。皇后陛下が頭を下げ気味で手を振っておられる。シャッターをカシャ。通過された。なんと写真には警護の人しか写っていないではないか。手遅れだ。

それにしても黒山の人はどうなったんだろう?翌日同僚のよしこさんの報告「ケンさん、あの後、道路を歩くたくさんのおじいさんおばあさんがいましたよ」


なんと、大船渡のじいさんばあさん達、セメントがアクセスが悪いの心得ていて、アクセスの良い国道で鈴なりになっていたのだ。脱帽!

ところで両陛下はなんで太平洋セメント大船渡工場に行かれたのでしょう。両陛下は工場煙突をご覧になるのが趣味、そんなことはありません。

太平洋セメントは東日本大震災の津波で工場の7割が被災。一時は工場撤退も噂されたが、大船渡に踏みとどまる。加えて、まずセメント焼成を行う炉を改造し、瓦礫の焼却を優先。被災後2ヶ月で、焼却開始。(工場の完全操業は、ようやく1年後の6月)。このため大船渡市の瓦礫処理率は常に他の市町村より約20%ほど上回り、現在は60%を超えている。市民たちから、たいへん感謝されている次第。被災地に踏みとどまり、雇用の確保と、瓦礫処理に多大な貢献をした太平洋セメントに感謝のお言葉を賜ったわけだ。

敬礼!

3 件のコメント:

  1. 確かにあの日は 車両通行止など、凄い警備でした。昨今大船渡近辺には国の大変重要な方々に起こしになって頂いて大変ありがたいと思います。本日は安部首相が演説にいらっしゃいました。これからも大船渡を忘れられない様に情報発信が大切ですね!
    大船渡 サポーター新沼より

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  2. ゆうさん、本当にその日の人はすごかったです!私も通行止めとかにあいながら、その日は活動してました 笑

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  3. ケンさん、警護の人しか映っていないとは、残念。次回は地元のおじい様おばあ様にチェックですね!

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