2016年11月25日金曜日

初のミャンマーGV、リーダー立候補への決意と意気込み

今春、日本からミャンマーへのGVチームの派遣が世界で初めて行われようとしています。チームメンバーはハビタットの学生支部のメンバーで構成され、リーダーも学生からの立候補を募りました。そんなチームのリーダーに立候補してくれたのが、日本大学2年生のキャンパスチャプターAla-N)代表の青柳智也くんです。

そもそも、ハビタット事務局から学生に向けて「世界で初めてミャンマーへのチームを派遣してほしい」そうメッセージを送ったのが今回のチーム結成のきっかけでした。チームの構成は各大学から自由に参加希望者を募集する今回の派遣は、多くのことが初めてのものです。そんなチームのリーダーに青柳くんが立候補したのには、Ala-NでのGV派遣での経験がありました。

「高校時代はボランティアには興味もなかったし、何かの代表を務めたり、人の前に立つような立場ではなかった」そう青柳くんは話します。そんなAla-Nに入った理由もボランティアへの強い興味などがあったわけではなく、友だちに誘われたから、という理由でした。しかし、2回のGV参加での出会いが彼を変えました。「2回目のGVチームのリーダーで、CCの代表でもあった三科くんのチームの作り方や、後輩へのメッセージの伝え方がすごく上手くて尊敬出来た」GVを振り返りそう語ります。尊敬できる先輩との出会いから、彼の視点が変わりました。「自分がこれまで経験してきた『楽しい』や『すごい』といった感情を後輩に伝えたい」それまでは先輩の背中を見て様々なことをただ学ぶ立場から今後は先輩として、得たものを後輩に伝えたい、そう変化しました。その意思から2年生の夏にはGVリーダーを務め、後期からはAla-Nの代表にも就任しました。

リーダーとしてメンバーを率いたGVでは、青柳くんは『伝えること』の難しさを実感したと言います。「自分の中でのGVは楽しみながらやるもの、という考えがうまいこと伝えられなくて、楽しむことだけが強調されることもあった」今年の夏のGVをそう話します。しかし、GVが失敗に終わることはなかったようです。「GVを通して『伝える』ということは、1度はできました。次は代表としてやりたいことや、やるべきことをしたい。それに、Al-Nには自分の他にもGVリーダーを任せられるやつがもういるので、2回も自分がAla-Nでリーダーをやる必要はないかなと思いました」代表に就いたのちの思いをそう話します。

また、青柳くんは話の中で代表としての目標も話してくれました。「今のJCCは組織も大きいし、1つ1つのCCが面白いことをしてる。けど、まだ1つになりきれてないって感じます。僕が代表の間は、全国のCCが同じ方向をしっかり向いて今以上に魅力のある組織にしたいと思ってます」と、学生として組織の中にいるからこそ感じる問題点をあげた上で、こう続けました「そのためにいろいろな大学から意欲のある人が集まるこのGVのリーダーをやって、関東だけでなく関西ともさらにつながりを強くして、JCCのメンバーがみんなで同じ方向を向いているような組織にしたいです」と、力強く話してくれました。

高校時代の同級生に、ボランティアやサークルの話をすると時々馬鹿にされることもあり、1年生の時はそれが少し嫌に感じることもあったと言います。しかし、そこからの心境の変化もありました。「今は、何を言われても大丈夫です。1年生の時と違ってやってる理由とかも話せるし、何なら活動を広めて誘ったりもしちゃいますよ」と笑いながら答えてくれました。1年生から、CCやハビタットの活動に参加する中で色々な人の話を聞き、経験を重ねる中で一歩一歩確実に進歩している青柳くんが、また未知の土地であるミャンマーで何を見て、自身とCCの成長に繋げるのか、Ala-Nと春のミャンマーGVチームの活動に注目です。

筆:広報インターン 喜多

2016年11月3日木曜日

ハビタット・ジャパン 学生インターン後記

ハビタット・ジャパンでは、ハビタット・ジャパンの学生支部(キャンパスチャプター)に所属するメンバーを中心に、学生インターンとして採用しています。キャンパスチャプターのメンバーとして、またインターンとしてハビタットの活動に積極的に参加し、様々なものを見て、経験し、成長したインターン生は、インターン期間を終了した後、其々が新たな取り組みにチャレンジしています。現在フィリピンにいる、10月5日の記事を更新した村田もそんなインターン卒業生の1人です。

今回は、ハビタット・ジャパンのインターンを終え、現在はタンザニアで国連のユースボランティアとして活躍している立教大学Eddyの元代表・米田大志から便りが届いたので、皆さまにもお伝えしたいと思います。2年生から、キャンパスチャプターの立ち上げに尽力し、3年生の1月からインターンとしてハビタットの活動に協力してくれた彼が、その活動の中で何を感じ、どのような心境の変化が起こったのかを綴ってくれました。
ハビタットでの経験をもとに今後どのような取り組みを行うのかが楽しみになる、そんな彼のレポートを是非お読みください。

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 【知って、伝える。】

 こんにちは。立教大学Eddy4年の米田大志と申します。私は大学2年の夏に仲間とハビタットの学生支部を立ち上げ、代表として活動に携わってまいりました。また、今年の1月から8月まで、約8ヶ月の間インターンとしてユースプログラムの業務をお手伝いさせていただいておりました。現在はアフリカのタンザニアという国に滞在しており、国連ユースボランティアとして来年の2月下旬まで国連ボランティア計画のフィールドユニットで働くことになっております。この度は、ハビタットでの経験が現在の私にどう影響しているのかという点について記させていただこうと思います。

 ハビタットでの経験を振り返ってまず感じるのは「現状を知る意欲が高まった」ということです。私は大学2年の夏休みに2014年度のStep to Peace (日本全国から集まった学生合同チームで*GVに行く企画。以下STP) に参加し、インドを訪れました。それは私にとって初めての途上国訪問・本格的なボランティア経験だったのですが、毎日が衝撃の連続でした。家と呼べるのか疑問に思ってしまうような住環境や物乞い、課題だらけのインフラ。それまでテレビを通して見ていた世界が私の目により広く、より深く映ったことを覚えています。一方で、現地の人々の温かみやより良い暮らしへの情熱といった、プラスの衝撃も受けました。これらは全て、実際に現地へ足を運び己で体感したからこそ知り得た現状であると確信しています。

STPを終えてからは「もっと色々な世界の現状を知りたい」という強い意欲が生まれ、それに突き動かされるように行動を起こしてきました。例えば、インドネシア・ネパール・再びインドと、計4GVへ参加しました。また、国内でも東北や熊本の被災地域、都内のホームレスの方々のもとへ複数回に渡って赴き、実情を頭だけではなく五感で確かめてきました。現在タンザニアで国連インターンに参加しているのも、国連とアフリカの現状を知りたいという意欲に導かれた結果です。今後もこの意欲を留めることなく、新たな知見を得られる機会があれば積極的に飛び込んでいこうと思っております。


 また、「伝えることの重要性に気付いた」こともハビタットでの経験を通して得た成長です。人は感情を揺さぶられる経験をした時、誰かに話したくなるものではないでしょうか。私は前述のGVに参加したことで大きく感情を揺さぶられ、帰国後は体験を伝え広めることに傾倒する学生生活となりました。最後に参加したGVでは動画作成という形で自分の活動や想いを可視化し、多くの人に伝えました。このように、自分の体験を伝えることに注力する中で1つ気付いたことがあります。それは、「伝えることで波及効果を生むことができる」ということです。どんなに素敵な出来事があっても、どんなに衝撃的な経験をしても、誰かに伝えなくては自分の中で完結してしまいます。ですが、伝えることで体験は自分の中から解き放たれ、水面に落ちる雫のように周囲に影響の波を広げることができます。時にその波は、誰かが新たな行動を起こすきっかけにもなるのです。実際に活動を通して、新たな行動や変化を見せてくれた仲間をたくさん見てきました。そんな彼らの姿を見る度に伝えることの重要性を再確認したことは言うまでもありません。現在、私は主に広報担当として働かせていただいております。タンザニア、延いては世界中の人々にいかに影響の波を広げていくかという点に着目し、精一杯伝えていく所存です。

 以上、例として2点挙げさせていただきましたが、私がハビタットでの経験を通して得たものは計り知れません。また、それらは間違いなく、現在の私に多大なる影響を及ぼしています。経験を今に活かしつつ、残りのタンザニアでの日々、そしてその先の未来へ力強く進んでいきます。少々長くなってしまいましたが、ハビタットを通して得ることのできた全ての経験と全ての出会いに心から感謝し、拙い文章を締めさせていただこうと思います。誠にありがとうございました。

*GV: ハビタットの海外建築ボランティアプログラムのことでGlobal Village programの略